
棗ではなく骨壺
高峰秀子の反骨 高峰秀子
この本には、エッセイの他、生いたちの講演や前の東京オリンピックの映画をめぐっての新聞への寄稿、衆議院の委員会での発言がおさめられていて、時代を超越して非常に面白いです。
中でも、旦那さんの骨壺を作る件が特に面白いです。(未読ですが、そのものズバリ『ダンナの骨壺』というエッセイ集があります。)写真はまったく無関係な棗です。骨壺はトマトぐらいの大きさで、美しい朱色、ふたには蝶貝で桜の花びらが一枚、象嵌されているそうです。
頼む方も頼む方ですが、引き受ける黒田辰秋さん(木工の名人)も面白い人で、
ご用があるまでキャンディでもお入れになったらいいでしょう、二十年もたちますと下地の金箔が浮いてきて、いい味になると思います。
黒田先生の手紙 講演 私の生いたち
ですって。

