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本音の歌

田辺聖子の万葉散歩 田辺聖子

1927年に、主婦之友社が「萬葉百種繪かるた」制作のために選出した百首を田辺聖子さんが読み拓いてゆく。四千五百十六首の中の百首だけれども、恋の歌は特にいいです。

いさましい歌を言上挙げしつつ、一方で本音の歌を当時の人々は支持していたのではなかろうか。この「萬葉百首選」には『万葉集』と当時の国粋主義との蜜月を示す作品も採られているけれども、恋歌も叙景歌もひとしく拾い上げられて、当時の人々の目くばりがゆきとどいていることを思わせる。

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子規、芭蕉の次は「万葉集」、楽しみが増えました。