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久しぶりに本を買う
別冊國文學・NO.8 芭蕉必携
先ごろ読んだ、加賀乙彦さんの『わたしの芭蕉』で、参考文献として挙げられていた『芭蕉必携(1995年)』の古書。初版1981年とありますが、今回購入したのは、昭和55年12月10日発行となっていて、微妙に違います。
何しろ40年前の本、いくつか版があるようで、アマゾンで探したら、古書で8,000円もするので手が出ず、時々利用する「日本の古本屋」で、1,000円のを見つけました。(北海道からの送料310円、但し、流行りのマルジナリアではありませんが、線の書き込みあり)
市の図書館には「特装版」があるので貸出予約しています。南大阪でこの書名の本があるのはここだけです。
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此道や行人なしに秋の暮
わたしの芭蕉 加賀乙彦
加賀さんの本をたぶん初めて読みました。小説ではなくて、それがこの本、いっしょに芭蕉の俳句の推敲を跡追いしました。ひらがなか、漢字かカタカナか、その凄まじい推敲の跡。その結果、著者に
芭蕉は美しい日本語の世界に遊ぶ楽しみを私に教えてくれた。
まえがきととまで言わせる。
芭蕉の名句はほとんど諳んじていても、推敲の跡までは追っていませんでした。蕪村が好きで蕪村ばかり読んで、最近になって、毎日子規を読んでいます。二回り上の加賀さんの年まで生きれたら、そこに芭蕉が加わって楽しみが増えました。
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一時代を築いたのか?
句集 百年 金子兜太
遺稿集。その重みははかり知れない。ただ最後まで私とはあわない、としか言いようがない。いいものもある。
ふらここが亡妻の向こうで揺れている
二〇一〇年なんかは好きだけれど、後記が特に納得いかない。
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水枕ガバリと寒い海がある
冬の桃 神戸・新神戸・俳愚伝 西東三鬼
去年刊行された新潮文庫の『神戸・新神戸』を読みましたが、なぜか『俳愚伝』が落ちていました。
最初、出帆社から出て、2年後に『冬の桃』と改題して、毎日新聞社から出ています。帯文も同じ五木寛之で、もう40年以上前の話。今回読んだのはこの中の『俳愚伝』。
これは昭和八年から俳句に没入した私の、個人的な手記である。
俳愚伝 まえがきすこぶる面白い。とりわけ、『5「天香」の創刊まで』金子兜太の件。
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標準世帯の黄昏
朝晩 小川軽舟
句集名の『朝晩』は、文字通り朝と晩であるとともに、いつも、常々、日々の暮らしの中で、という意味合いが込められているそうで、2012年以降の作品から360句を収録した第5句集。 第59回俳人協会賞を受賞された記事を読んで再読。(初読は去年の11月)
新しい季語(新豆腐、新蕎麦は聞くけど、私が知らないだけ)を知りました。蟻めくという言葉はわかりません。妻、母、父、子の句が多い。
私の中の2句、「白菜に水道の水かがやける」と「正月の仏壇小さき父の家」 。