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白兵衛と黒兵衛
芝浜の天女-高座のホームズ 愛川晶
これは第一話の題です。もともとミステリーはあまり読まないし、落語好きとしてはお恥ずかしい話ですが、著者のこともまったく知りませんでした。落語のことは非常によく書けています。
ちょっとプロットに凝りすぎて、ストーリーというか時間軸が追いにくい気がします。高座のホームズも活躍しているような、いないような。前3作も同じなんでしょうか?落語の蘊蓄は読んでみたいけれど、落語ミステリーにはあまり魅かれません。
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貴重な資料 今となっては...
上方落語ノート 第一集 桂米朝
間違いなく貴重な資料なので、何度も版を変えて出版されるのはうれしいことです。ただ今となっては、私の年代だと、花柳芳兵衛さんが目に浮かびますが、若い世代だとまったくわからないのではないかと思います。
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師匠、死んじゃったかもしれない寄席
甘夏とオリオン 増山実
実際には在り得ない落語会だけど、あるような気がしてくる力のある文章で、よく調べてます。
細かいことを言うと、前座クラスにはネタが重すぎますが、言いたいことはそこではないので。私も落語家になる夢を捨てて、大学出てから40年の大半を、南本町から天神橋界隈に勤め、玉出や大正にもよく商用で通いました。地名や店名が出るたびに膝を叩いて、九州へ飛んだら母方の田舎で、何たる奇遇。楽しめました。
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お直し
志ん生が語るクオリティの高い貧乏のススメ 昭和のように生きて心が豊かになる25の習慣 美濃部由紀子
何と長いタイトルだろう。志ん生が語るとなっていますが、志ん生を借りて語るです。講談社の内容紹介もひどいですが、稀にみる雑なつくりの本。句はいいのに。但し、著者が挙げている句、これは川柳、俳句じゃないよ。「志ん生」とつくと手あたり次第手に取るファンの私、大失敗。