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    あとがきはまだ

    あとがきはまだ 俵万智・渡辺祐真

    解説付き選歌集です。短歌は苦手ですが、俵万智さんまでは何とかわかります。久しぶりに堪能できました。撰歌と解説は別基準とは言い条、そこがいいところでもあり、ひっかかるところでもあります。
    内容とは関係ありませんが、はじめに、俵さんが過去に刊行された選歌集が、現在流通していないことに触れられています。私は基本、本は図書館で借りて読むので何の支障もないのですが...

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    怪物たんたん

    たん・たんか・たん 美村里江

    「ミムラ」さんの第一歌集。怪物にタンタンと名付けたまではよかったが、果たして仲良くなれたのかどうか。

    むっちりとヒトも花も膨らんだまんじゅうのような蒸したての朝

    日々はめぐる

    のように、まんまで素敵な歌なんだけど、どうも理が勝るたちのようで...

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    たくさんの歌を詠みました。

    青卵 東直子

    第二歌集が出たのはもう18年前、『春原さんのリコーダー』から5年間491首を収めます。図書館にもほとんどなくて、読めなかったけれど文庫で復活しました。表現方法や文体が変わっても独特な感覚は変わらない。

    印象的ないい歌がたくさんあります。私の一首『やわらかい腕さしのばす朝の海 帽子を脱いで父が笑った』うみはこちら

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    20年以上の時を経て

    春原さんのリコーダー 東直子

    が文庫になりました。佐太郎の、『短歌とは「瞬間の心」を表現する詩』で納得していたら、時は流れて、ニューウェーブの歌人を超えて、東直子さんに辿り着きました。東さんの短歌の解説は解り良いですが、ご自身の短歌はふわふわ空中遊泳しているみたい。対談で川上弘美さんが『息をするように作っていたんですね。』と感心されていますが、言い得て妙です。

    独特の童話的な口語文体と不思議なユーモア感覚、そして圧倒的な喪失/希求感。

    栞文 穂村弘

    私の一首『少し遅れてきた人の汗ひくまでのちんちろりんな時間が好きよ』

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    「瞬間の心」を表現する詩

    佐藤佐太郎(コレクション日本歌人選) 大辻隆弘

    選者は誰か、明記されていないが、大辻隆弘の鑑賞とともに佐藤佐太郎の歌を50首よみました。鑑賞、解説はめっぽう興味深く、浮遊する「は」や虚辞「あるときは」など、佐太郎の『短歌とは情報伝達の器ではなく「瞬間の心」を表現する詩なのだ』と。解説は上々、不在なるものへのまなざし、純粋短歌。このシリーズははじめて手にします。

    とほどほ(遠々)という言葉は、漢字にしたらわかりますが、普段使わないし、意訳は曲者です。
    私の選んだ一句、「珈琲を活力としてのむときに寂しく匙の鳴る音を聞く」