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巨樹に聴く
九州・沖縄の巨樹:遥かなるいのちの旅 榊晃弘
非常に期待していたので、ちょっとがっかり。電車の中で、家で、一気に見ました。写真は素晴らしいのですが、何かもの足りない。何なのだろう?近づきすぎ?
たまたま、鬼海弘雄さんの訃報に接し、考えて込んでしまった。個人的には、田舎の「小川阿蘇神社の樟」が載っていてうれしかったけれど...
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サトウキビ畑の小道
赤い砂を蹴る 石原燃
劇作家、石原燃さんの初めての小説。芥川賞候補になったということですが、まだ小説の言葉としてはコナレていない感じでところどころ引っかかってしまいます。でも何かいい感じ、その中では気に入ったフレーズ。
どんな感情も、痛みも、見ないようにしていさえすれば、なかったことにできる。そうやって、私はいつのまにかとても鈍感な人間になっていた。
92頁そして赤い砂を蹴る。ぽんかんはブラジルでも栽培されているそうですが、晩白柚もあるんですかね。
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棗ではなく骨壺
高峰秀子の反骨 高峰秀子
この本には、エッセイの他、生いたちの講演や前の東京オリンピックの映画をめぐっての新聞への寄稿、衆議院の委員会での発言がおさめられていて、時代を超越して非常に面白いです。
中でも、旦那さんの骨壺を作る件が特に面白いです。(未読ですが、そのものズバリ『ダンナの骨壺』というエッセイ集があります。)写真はまったく無関係な棗です。骨壺はトマトぐらいの大きさで、美しい朱色、ふたには蝶貝で桜の花びらが一枚、象嵌されているそうです。
頼む方も頼む方ですが、引き受ける黒田辰秋さん(木工の名人)も面白い人で、
ご用があるまでキャンディでもお入れになったらいいでしょう、二十年もたちますと下地の金箔が浮いてきて、いい味になると思います。
黒田先生の手紙 講演 私の生いたちですって。
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怪物たんたん
たん・たんか・たん 美村里江
「ミムラ」さんの第一歌集。怪物にタンタンと名付けたまではよかったが、果たして仲良くなれたのかどうか。
むっちりとヒトも花も膨らんだまんじゅうのような蒸したての朝
日々はめぐるのように、まんまで素敵な歌なんだけど、どうも理が勝るたちのようで...
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マイペースなのかな?
るきさん 高野文子
マイペースとは違う気もします。が、他に適当な言葉が見当たりません。年を追うごとに若くなるるきさん。羨ましい。「るきさん&えっちゃん」でもいいぐらい『えっちゃん]が出没します。えっちゃんはRUKIさんの影であり、我々と同類です。
今よりふけている
『Hanako』’89.9.28号「Miss RUKI」7年前の方が今よりふけている、結構ショッキングな絵です。これは図書館で借りたほんですが、配架場所がヤングコーナーって、よくわからないラベルが張ってあります。