読書空間
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童話屋の詩文庫
八木重吉詩画集 詩 八木重吉 絵 井上ゆかり
詩画集となっていて、もちろん八木重吉さんの詩が主ですが、私的には、井上ゆかりさんの絵の方がメインの手掌本です。疲れた時にほっと一息。童話屋の詩文庫、他にもあるのかな?
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第162回芥川賞
背高泡立草 古川真人
草刈りからどんどんイメージが膨らんでいく筆力は認めますが、何か大きな物語の一部ならまだしも、エピソードが私の中では結びつかなかった。
言葉はだいたいわかるが、過去にいけばいくほど絵空事のようで、こちらで構築せよということか?背高泡立草も以前ほど見ないし。
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明るい部屋にて
美しい街 尾形亀之助 松本竣介
巻末エッセイが能町みね子でなければ...手にしなかった?美しいけれど地味な装丁の本。
松本竣介の絵がすばらしい。55編を選んだのは誰だろう?時代を感じさせない詩が多いけれど、唯一『煙草』に時代を感じる。他の本を読もうとするけれど、疲れすぎて頭に入らない。こんな時は空白の多い白い詩がいい。
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父に似た男と暮らす蜆汁
句集 伊月集 龍 夏井いつき
第一句集(平成十一年発行)の新装版。今一番忙しい?俳人いつき先生の三十代の三百三十句。
イラストがいい。黒田杏子主宰の初版本の『序』がまたいい。ちょうど四国遍路吟行の頃です。「四国遍路吟行-俳句列島日本すみずみ吟遊」もよかったですね。なぜ出版から4年たった本が図書館の新刊コーナーに置いてあったかは不明。
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65㎝×93㎝の壁面がもたらしたこと。
画廊の隅から 東日本大震災チャリティ・イラストレーション作品集 和田誠
見逃していました。過去の作品のモチーフを新たに描いたもの(描きおろしもあります)が多いので、どこかで見たような懐かしい絵がたくさんあります。安西水丸さんとの「アド・リブ展」の絵とか、2枚のチェシャ猫。返す返すも惜しい人を亡くしたと。