読書空間
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二兎を追うものは
ご飯と汁物 辰巳芳子
写真はすばらしい。「八丁味噌について」、「しょうゆについて」、「日本の食料自給率」が無ければ、最高点をつけたのに...著者の意を汲んで入れられたのか、編集サイドの問題か、せっかくのレシピが台無しです。
私は、米も大豆の発酵食品もアジア起源であって、日本固有のものだとは考えません。著者の主張は尊重しますが、問題はそこにあるのではないと思います。レシピはすばらしく、そこからはあまり主張は感じられませんが、何かとってつけたようで。
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人生万歳
わたしはフリーダ・カーロ マリア・ヘッセ
絵でたどるその人生。フリーダ・カーロは好きで、よく読んだり見たりしています。しかし著者は、
私たちは彼女の人生や、彼女の頭をよぎったことのほんの一部しかわかっていない気がしてなりません。
マリア・ヘッセ はじめに
ほんとうに重要なのは、実際に何があったかではなく、彼女がどう感じていたかです。そして、それについてなら私は語ることができます。と言います。
絵は独創的で、私は棟方志功の観音菩薩を思い浮かべました。絵をアレンジするという発想もおもしろいです。
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逆さ地図
まれびと 石川直樹
日本列島20ヶ所の来訪神の写真集。南のボゼ、トシドン、カセドリ、パーントゥ、ミルク、アンガマ等々、北のナマハゲ、アマメハギ等々、仮面と季節は違えどその面白いこと。見知ったものもあれば、初めて見るものもあります。
内容とは関係ありませんが、表裏扉の「逆さ地図」がすばらしい。大陸側から日本列島を見ると、見えてくるものが多々あります。
コロナ対策の車通勤と、今年の暑さですっかり本から遠ざかっていましたが、ようやくを読み始めたのがこの写真集。久しぶりに堪能しました。
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やっと動き出す
虎落 チンギス紀七 北方謙三
7巻目にしてやっと動き出しました。筋を追うだけだと1日で読み終えられます。電車通勤に戻って初日、一気に読み終えました。次は7月か、待ち遠しい。
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一時代を築いたのか?
句集 百年 金子兜太
遺稿集。その重みははかり知れない。ただ最後まで私とはあわない、としか言いようがない。いいものもある。
ふらここが亡妻の向こうで揺れている
二〇一〇年なんかは好きだけれど、後記が特に納得いかない。