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真実を見きわめるのに
茨木のり子 自分の感受性くらい(別冊太陽 日本のこころ277)
改めて読んでみて、やっぱりいいです。63編の詩が散りばめられた茨木のり子のすべて。何より紙面が大きい。時代を実感させられるのは、「タバコ」、黒電話、三年日記の縦書き。影響されやすい私は三年日記(横書き)を買ってしまいました。写真がすばらしい(小畑雄嗣)
今までも何回か茨木のり子さんの詩を取り上げていますが、今月の月報に「歳月」を載せよっと。
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わたしは何でできているのだろう
誰も気づかなかった 長田弘
久しぶりに訪れた図書館、新刊コーナーで長田弘さんの本を見つけ手に取る。図書館も元の日常に戻りつつありますが、まだ貸し出し等のみのところが多い。
残された連作の断章、なくなられてもう5年になるのですね。最終連、
きみは何でできている?
誰も気づかなかった Ⅷいや、実際のところ、わたしは何でできているのだろう。
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1981年刊
ソナチネの木 岸田衿子 え 安野光雅
古い本ですが、少しも色褪せない。新版が96年、新装版は2006年刊です。
小鳥が一つずつ 音をくわえて とまった木 その木を ソナチネの木 という
1頁岸田衿子さんの4行詩が50編。タイトルはないけれど、後ろに、四連の一行目を並べた目次のようなものがあり、これがまた50連の詩のようで。そこに安野光雅さんの絵。
17頁の「一生おなじ歌を 歌いつづけるのは」が特に好きです。
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探し続けて
すごい詩人の物語
山之口貘詩文集 人生をたどるアンソロジー 山之口貘昨年の7月19日(著者の命日)に発行されたアンソロジー、なかなか読めなくて、やっと読みました。丁寧なつくりの、行き届いた本です。
詩はもちろんいいんだけれど、時代を感じさせる言葉が、吟味され削られていることで、今ではわかりづらいところもあって、むしろ小説の方がわかりよい。歌になった詩はまだわかりやすい。「唇のやうな良心」とかいいです。
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童話屋の詩文庫
八木重吉詩画集 詩 八木重吉 絵 井上ゆかり
詩画集となっていて、もちろん八木重吉さんの詩が主ですが、私的には、井上ゆかりさんの絵の方がメインの手掌本です。疲れた時にほっと一息。童話屋の詩文庫、他にもあるのかな?